仮想通貨の代表格である「ビッコイン」の「分裂」という現象に対しては、「何故通貨が分裂するの?」と不思議に思われることでしょう。そこで今回はなぜ通貨であるはずのビットコインが分裂するのか、その実態などについて、はじめての方にも分かりやすくご紹介していきたいと思います。
ビットコインの分裂とは?
インターネット上で取引される仮想通貨「ビットコイン」が2017年8月1日にビットコインの分裂(ハードフォーク)が無事終了し、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)に分裂をした後、ビットコインは歴代最高値を更新しています。
ビットコインは8月1日の分裂までに買われて価格が上昇し、約30万円を推移していますが、分裂後はさらに価格が高騰、35万円を突破しました。この39万円という金額は、仮想通貨専門家の2017年のビットコインの価格の予想2000ドル〜3000ドル(22万〜33万円)に到達したことを示しています。
さらに10月24日、8月に続いて再び分裂し、ビットコインに加えて「ビットコインゴールド(BTG)」と呼ばれる新たな仮想通貨を創設するための作業に入り、当初は25日に枝分かれする予定でしたが、前倒しとなりました。
今回の分裂は、ビットコインの取引記録を管理する香港の事業者らが主導しました。特定の装置を持つ事業者が有利になるように進められていた従来の記録管理を変え、幅広く参加できるようにするのが狙いということです。
ビットコインの保有者には原則として、同のBTGが付与される予定です。大手取引所であるビットフライヤーでは、顧客の資産保護に問題がないことを確認した場合、11月1日以降にBTGの付与や売買のサービスが始まります。
ビットコインを巡っては8月にも、従来の取引記録を基にした分裂があり、新たな仮想通貨「ビットコインキャッシュ(BCC)」が生まれました。ビットコインの保有者は同数のBCCを受け取り、値も付いたため、資産が増えることとなりました。
分裂する理由とは?
ビットコインは「ブロックチェーン」という誰でも参加できるオープンなシステムを使って取引されています。ブロックチェーンは一定時間内の取引情報を一つのブロックに入れて、それをつなげていくものです。
1ブロックは1メガバイトで、計算上1秒に約7件の取引ができ、おおむね10分ごとに、一つのブロックができます。なぜ1メガバイトかとについては、この1ブロックの取引はさまざまなコンピューターに分散されて記憶されることで正確性が担保されていることから、あまり容量が大きくなりすぎると保存が難しくなるからです。
しかしながら、ビットコインの取引量が増え、しだいに10分に1メガバイトでは足りなくなってきました。そこでどのようにシステムを変更していくかで陣営が分かれ、それが「ビットコイン」と「ビットコインキャッシュ」の分裂につながりました。
今のままだと、物理的に取引量が足りないので何とかしないといけないことは皆わかっているのですが、その解決策で考え方の違いが出たのです。現状のビットコインにつながっている陣営が考えた方式は、「SegWit」(セグウィット=Segregated Witness)という名前で呼ばれていますが、送金データの一部をブロックに含めないことにして、1メガバイトの中に詰め込める情報量を増やそうという考え方です。
一方で「ビットコインキャッシュ」の陣営は、一つのブロックの容量を最大8メガバイトまで引き上げようというシステムです。これによって取引量の増加に対応しようとしました。
そして1メガバイト分の取引が行われたら、そこでブロックを閉じるのですが、その閉じることができる人は、前述のマイナー同士の競争が行われていて、簡単な計算問題を繰り返し、指定された条件に合う答えを最初に見つけた人がその権利を得ることができます。その競争に勝って1ブロック分を閉じたマイナーがマイニング(採掘)料(現在は12.5ビットコイン=約590万円)を得ることができます。
つまり、マイナーが競争に勝ってマイニング料をもらうことができるというインセンティブがあることで、ブロックチェーン、ひいてはビットコインは維持されているわけです。マイナーがマイニングしてくれないと続いていかないシステムなのです。
マイニングはビットコインの維持コストですが、それは誰かが一元的に管理しているわけではなく、オープンなシステムになっています。それゆえに、コア開発者たちや有力マイナーの間で利害関係も生まれて、自分に有利な仕組みにするにはどうしたらいいかで争いごとが起きてしまうわけです。
3回目の分裂は?
ビットコインゴールドと袂をわける予定の現行ビットコインが、2017年11月に予定しているのがSegWit2xと呼ばれる分裂です。
こちらは1回目の分裂と同じく、ブロックサイズ問題にかかわるものであり、8月1日のSegWit適用時に「SegWit導入するけど半年以内にブロックサイズも増やします。」という約束を取り交わしたニューヨーク協定とよばれる合意に基づいて行われる改善です。
「2x」とついていることから、ブロックサイズを2倍の2MBにするというものです。もっとも、実際に近づいてくるにつれてこのニューヨーク協定の支持を取り止めるマイナーや企業が続出しており、その結果また分裂になるのではないかと言われています。
ニューヨーク協定からの支持が離れている理由は、リプレイアタックと呼ばれるいわゆるハードフォーク時の混乱を利用したハッカーによるコイン盗難に対する対策がとられていないというものです。
仮想通貨を買うなら?
仮想通貨を購入するならコインチェックがオススメです。一番日本で有名なのとチャートがとても見やすいです。こちらは私のスマホの画面ですが、TOP画面に値動きを表示させています。
ビットコインを購入するならZaifもオススメです。こちらの取り扱い通貨はビットコイン、モナコイン、ネム、イーサリアムです。新通貨のコムサもこちらでも取り扱いになります。
まとめ
結果的に7月までひとつであったビットコインが以下の通り、年末には4つに分割されていることになります。
ビットコイン・・・SegWit適用済み。ブロックサイズ1MB。
ビットコインキャッシュ・・・SegWit未適用。ブロックサイズ8MB。
ビットコインゴールド・・・SegWit適用済み。ブロックサイズ1MB。ASIC対策導入。
ビットコインSegWit2x・・・SegWit適用済み。ブロックサイズ2MB。
これに対しては、持つならビットコイン一択だと思います。
もともとアルトコインに対するビットコインの優位性は「先行している」、ただそれだけなので、新たに生まれる分岐には価値はないと思います。